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今週の展望(2016年6月第4週) [株]

     2016年6月17日 2016年6月10日  2015年12月30日      
          
日経平均  15599円66銭  16601円36銭  19033円71銭 
TOPIX  1250.83    1330.72    1547.30    
東証2部   4144.64    4382.47    4729.85    
ジャスダック 2415.25    2560.16    2647.60   
マザーズ    950.33    1165.55     887.14     

先週(6月第3週)の日経平均はイギリスのEU離脱懸念に対するリスクオフで
下落して始まり、日銀の金融政策現状維持でさらに一段安となりました。
週末には大幅安に対するリバウンドがありましたが、週刊では大幅安になりました。
週間では前週末比1001円70銭の大幅下落になりました。
すべての指数が下落になりました。

終了した業績発表を見ると特損で悪化した業績が本年度はないと考えれば、
日経平均ベースの1株利益は上昇します。
今週はイギリスのEU離脱の国民投票という最も注目されるイベントがありますが、
市場はここまでの下げで織り込んでいます。
投票前まではポジションをとりにくいですが、もし離脱回避ならば急反発、
離脱が現実になれば、ショック安の後の反発が予想できます。
噂で買って事実で売るという投資格言がありますが、離脱危機を煽る噂で
かなり下げたことを考えると事実(離脱)があって下げたらそこが安値、
もし離脱回避ならば急速な買戻しを先頭に大幅反発と考えるのが妥当でしょう。

日経平均20000円後は達成感が強く、高値警戒感が強くなっていました。
円高をはじめ、海外株安、原油安など弱気材料が目白押しでした。
昨年来安値の16795円96銭(2015年 1月14日)を割り込み
高値からも2割下げたので、日本株はベアトレンド入りしました。
ボラティリティが大きいので、理論値をオーバーシュートすることが多くなります。
日銀のマイナス金利導入の効果は短期で見る限り、株式市場への恩恵はありません。

急速すぎる円高が嫌気されましたが、日本株が上がらない最大要因は外国人売りです。
したがって個人投資家が中心の株価指数(マザーズ)は堅調に推移しています。
ここ(外国人売り)が転換すれば期待が持たれます。

現在は短期的には弱気、中長期的にも弱気な位置にあります。
今年更新した昨年来安値(2016年1月21日・16017円26銭)を
割り込んだときは、底抜け状態で、下値めどは立たなくなっていました。
今年の現時点での高値目標は2月1日の17905円37銭になっていましたが、
外国人の買い転換で2週連続で大幅に上げたことにより17500円を
突破して15000円~17500円のボックスを上抜けたことにより
強気転換・上昇トレンド入りの可能性が高まりました。
しかし、4月最終週の下落で再びボックスに逆戻りしました。
ただ、今回の安値(6月16日・15395円98銭)が
4月8日安値(15471円80銭)を下回ったものの、誤差範囲内といえるほどの
額であり、ボックス下限(15000円)を割り込まなれば、市場の先行性もあり
イギリス国民投票後は反発場面になりそうです。
この点(イギリス国民投票後)では日本株より、ヨーロッパ株に妙味があります。

日本株全体が上げるには、外国人売りが止まり買い越しに転じる必要があります。
外国人が継続的な買い越しになるかが、上昇トレンド転換のカギを握っています。

日本企業は慎重な見通しを出し、のちに上方修正が多いですが円高や中国懸念などで
業績に対する悲観論は現実になっています。
この点からは日本株全体が強気になるのは困難です。
業績面は日本株の上値を抑える要因になりそうです。
基本は個別物色です。

投資家全体で見れば戻ったら売りたいがいまだ多数派、
高くなったら空売りしたいは増加、安くなれば買いたいも健在なので、
出番を虎視眈々と狙っていた人たちには今週はチャンスでしょう。
売買高や売買代金は盛り上がりませんが、薄商いの中、値動きが激しくなる可能性は
あります。
外国人買いがどこまで上値を追うかが、株価指数の行方に大きな影響を与えます。

株価が下落するほど投資家のセンチメントが悪くなり、弱気が増えるので、
思わぬ下げ幅になる可能性もありますが、投資家心理は揺り動かされるので
投資方針が一層大切になります。

個別株の中には振れ幅がより大きいものもあり、過剰なレバレッジや信用取引を
行った方は想定外の価格変動による思わぬ結果をもたらされる可能性があります。
特に新興市場のバイオ関連株やネット関連株、ゲーム関連株の値動きは
IPOとともに個人投資家の参戦で非常に大きくなっています。

もはや株高は国策と言ったらオーバーでしょうが、預金はゼロ金利、国債さえも
買いづらくなった今、資産運用をするとすれば株式か外貨が選択肢になるでしょう。
ただ、休むも相場との投資格言をかみしめることも必要な時期はあります。


     日経平均2016年高値         日経平均2016年安値

終値  18450円98銭( 1月 4日) 14952円61銭( 2月12日)

ザラバ 18951円12銭( 1月 4日) 14865円77銭( 2月12日)



    日経平均昨年来の高値       日経平均昨年来の安値

終値  20868円03銭         14952円61銭    
   (2015年 6月24日)     (2016年 2月12日)

ザラバ 20952円71銭         14865円77銭
   (2015年 6月24日)     (2016年 2月12日)



日経平均2014年~2015年3月高値  日経平均2014年~2015年3月安値

終値  19754円36銭        13910円16銭     
   (2015年 3月23日)    (2014年 4月14日)

ザラバ 19778円60銭        13885円11銭
   (2015年 3月23日)    (2014年 4月11日)


     日経平均2013年の高値        日経平均2013年の安値

終値  16291円31銭(12月30日) 10486円99銭( 1月23日)      
ザラバ 16320円22銭(12月30日) 10398円61銭( 1月 9日)



2016年6月17日時点での各移動平均線(円未満切り捨て)

  5日移動平均線(下落中) 15766円  
 25日移動平均線(下落中) 16532円
  75日移動平均線(下落中) 16621円


現在は世界景気減速と株安への不安があり、投資家心理は悪化しています。
企業業績はまだら模様で銘柄間の格差は大きくなっています。
輸出株中心に円高が進行すれば業績下方修正もあります。
原油価格低下の小康状態は安心感があります。
原油安が産油国の歳入欠陥を招き海外資産売却を加速させている点は注意ですが、
日本独自ならばエネルギー輸入大国の日本にはプラス要因です。
(ただしエネルギー価格低下での物価安は日本の目標のインフレ示現にはマイナス要因)

現在では日本株は需給(特に外国人売買)、原油価格、為替相場、
業績動向(特に個別株)が注目要因で、地政学リスクが相場のかく乱要因です。
米経済の動向と政策が一段と大切になりました。


今年1月は大発会から6日続落で大幅安と最悪のスタートのうえ、
昨年来安値を更新しました。
2月も昨年来安値を再び更新するなど下落の展開が続いていました。
3月は堅調に始まり、戻りを見せました。
4月は初日から大幅安で始まり、軟調でしたが、急速に切りかえして
プラスに転じていましたが、最終日に日銀の追加緩和見送りでひっくり返されました。
5月は下げて始まりましたが、プラスに転じました。
6月は下げています。

どうしても直近の値動きの印象が強く、それに左右されるのがメンタルです。
リスクオン、リスクオフは投資主体のメンタルによる場合がかなりあります。

企業業績をはじめ、数々の分析がなされるでしょうが、
下がるから売る・売るから下がるの展開の原動力は人の恐怖と欲とのバランスの上に
立脚しているだけで、理論的分析が通用しない相場形成がなされます。
従って上がるから買う・買うから上がるの展開になった時も同様の可能性があります。

安値買いの人で昨年と今年の戻り過程で利食い売りを出したかたは現金ポジションが
高くなっている方もおられるでしょうし、買い余力は大きいので、
今週のイギリス国民投票後はチャンスです。
短期の人は様子見か(空売りの)利食いの買戻しでしょうか。
典型的なバイ&ホールドの人は何もせずにホールドか利益確定でしょうが、
さらなるホールドか利食い売りかは投資方針次第と言えます。

投資家の行動は心理に左右されます。
株は安くなったら買い、高くなったら売ればいいと言いますが、
高いか安いかの基準はなんでしょう。
明確な基準があればそれに従って売買していることでしょう。
多くの投資家は理論ではなく、高くなりそう・安くなりそうという思い込み(感情)で
売買します。
もちろん自由ですが、安くなったら買い、高くなったら売りという基準をもって
売買していないことは明確です。

現在はトレンドフォローが主流です(もちろん一つの有力な手法です)が、
これはある程度上がったら買い、ある程度下がったら売りという手法で、
安いところを買い、高いところを売る事とは違う方法です。
トレンドフォロワーならば様子見でしょうか。

外国からのニュースや要人の発言に一喜一憂させられる可能性は依然あります。
日銀のマイナス金利導入というポジティブサプライズがありましたが、
効果は長続きしませんでした。
相場変動の原動力の4大要因(外国人売買と原油価格と為替と企業業績)には注目です。
地政学リスク関連ニュースからは目が離せません。

ボラティリティは非常に大きく、個別でも1日の間に乱高下もあり得ますので、
デイトレーダーにはチャンスが大きい反面、ピンチを招くこともあるでしょう。
売り方、買い方、どちらにもチャンスがあるように見えます。
短期は空売りの買戻し(利食い買い)か、様子見でしょうか。
中長期の投資家は利食い売りの誘惑との闘いでしょうか。

長期は利食いと持続のはざまで揺れ動くかもしれませんが、ここは辛抱でしょう。
超長期(2年以上)でも利益確定を考えるかもしれませんが、持続でしょう。
どこで利食いするか、持続するかなどの投資方針が大切になります。

米景気は回復途上にありますので、米株高は支援要因です。
当面は米株と原油と為替の行方が関心のまとで、海外からのニュースから
目が離せません。
日本株は外国人の売りが止まった後に、売買高や売買代金が増加するかが注目です。
個別株勝負は当然ありでしょうが、ボラが大きいので指数売買もありです。
と言うより現在指数売買は非常に活発です。(代表は1570)
インデックス投資家は淡々と買い続けるでしょう。

最大のキーポイントは、自分自身の欲と恐怖の葛藤の中での折り合いをつける
自分自身との戦いです。

と同時に投資スタイルを確立できているか、それに応じた売買を冷静に行えるかを
試される期間が続きそうです。


もちろん投資は自己責任でお願いします。



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サンフランシスコ人

「バイオ関連株やネット関連株、ゲーム関連株.....」

サンフランシスコは、バイオやネットやゲームの情報の収集に大変良い場所だねとつくづく思いますよ...
by サンフランシスコ人 (2016-06-19 03:10) 

サンフランシスコ人

例えばバイオ.....ちょっと古い新聞記事ですが....

http://www.sfgate.com/business/article/South-San-Francisco-The-Bioindustrial-City-2973213.php
by サンフランシスコ人 (2016-06-19 06:28) 

renbajinharuhi

サンフランシスコ人さん、いつも情報をありがとうございます。

情報洪水も困ることがありますが、情報収集は大切なことだと思います。
その中で取捨選択ができればそれに勝るものはないでしょう。
by renbajinharuhi (2016-06-19 08:08) 

サンフランシスコ人

「バイオ関連株...」

Clovis Oncology Inc
(NASDAQ:CLVS)

28.65
+0.60 (2.14%)
Real-time: 12:16PM EDT

「情報収集は大切なことだと思います....」

http://www.fool.com/investing/2016/09/12/is-clovis-oncology-still-a-strong-buy.aspx

Is Clovis Oncology Still a Strong Buy?
Clovis could be closing in on a key regulatory approval.
George Budwell
(TMFGBudwell)
Sep 12, 2016 at 11:22AM


by サンフランシスコ人 (2016-09-14 01:23) 

サンフランシスコ人

あれから株価が1.5倍....

Clovis Oncology Inc
(NASDAQ:CLVS)

43.50
+0.55 (1.28%)
Real-time: 1:40PM EST
NASDAQ

1/4 終値ではありません...

http://www.streetinsider.com/Corporate+News/Clovis+Oncology+(CLVS)+Prices+Upsized+$205M+Common+Stock+Offering+at+$41Share/12388289.html
by サンフランシスコ人 (2017-01-05 03:47) 

renbajinharuhi

素晴らしい成果ですね。
by renbajinharuhi (2017-01-05 08:16) 

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