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不景気の株高となるか [株]

本日前場の日経平均は56円65銭高の10530円62銭で終了しています。
高く始まり、そのあとは狭い範囲でもみ合いました。
高値と安値の差はわずか40円93銭です。
相変わらず、売買高、売買代金ともに盛り上がりはありません。
一方TOPIXは+3.94の968.17で前場を終了しています。

7月の失業率は前月比+0.3%の5.7%となり、過去最悪です。
失業者が103万人増加し、離職者が136万人増加しました。
有効求人倍率は0.42倍と前月より0.01悪化し、3カ月連続で最悪を更新しました。

7月の全国消費者物価は前年比2.2%の低下です。
8月の都区部の消費者物価は前年比1.9%の低下です。

7月の二人以上の世帯の家計消費支出は実質2%のマイナスです。

上記の数値を見る限りでは景気(特に雇用)は回復しているとは言えません。
二極化の進行がますます進んでいる気がします。


2009年8月28日前場の日経平均    2009年8月28日前場の日経平均先物

始値 10546円88銭( 9:01)        10560円( 9:00)
高値 10560円44銭(10:34)        10570円( 9:00)
安値 10519円51銭( 9:29)        10520円( 9:26)
前引 10530円62銭(11:00)        10530円(11:00)
   
データ
寄り付き前の外資系証券10社注文状況
2日連続の売り越し

          売り     買い
8月 6日 1860万株   1960万株   100万株の買い越し
8月 7日 1930万株   2740万株   810万株の買い越し
8月10日 1430万株   2670万株  1240万株の買い越し
8月11日 2450万株   3590万株  1140万株の買い越し
8月12日 2260万株   2710万株   450万株の買い越し
8月13日 1520万株   2360万株   840万株の買い越し
8月14日 1550万株   2140万株   590万株の買い越し
8月17日 1290万株   1750万株   460万株の買い越し
8月18日 2870万株   2240万株   630万株の売り越し
8月19日 2770万株   3320万株   550万株の買い越し
8月20日 1990万株   1450万株   540万株の売り越し
8月21日 1580万株   3390万株  1810万株の買い越し
8月24日 1000万株   1720万株   720万株の買い越し
8月25日 1340万株   2410万株  1070万株の買い越し
8月26日 1410万株   2180万株   770万株の買い越し
8月27日 2800万株   1740万株  1060万株の売り越し
本   日 1900万株   1780万株   120万株の売り越し

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株式投資の基本は(未来も含めた)企業業績に対する株価の位置なので、企業業績が良好なときは株価は上昇しやすいと考えるのが普通です。
では企業業績が良好になるのはどのような時かと言えば、好景気で個人消費が活発で品物やサービスへの需要が供給を上回るほど強い時と言えるでしょう。

反面、景気が悪く品物が売れず、サービスへの需要も少なければ企業業績は悪化しやすく、株価も上がりにくくなるか、下落する可能性は高まります。

また景気が一部でよくても賃金が上がらなかったり、将来への不安が大きければ、消費意欲は減退し、全体としての活況には結びつきにくく、企業業績はまだら模様になりやすく、好調企業と不調企業とに識別されるでしょう。
現在は賃金が上がりにくく、将来への不安が大きく消費活動が停滞している状態といえるでしょう。

さてそうなると不景気のときは株安と言うことになります。
企業業績から見れば至極順当な考えです。

ではタイトルの不景気の株高とはどういうことでしょう。
それは金利と株価の関係が企業業績と株価の関係より優先された状態を意味します。
不景気になると景気浮揚効果を狙った金利引き下げ(金融緩和)が実施されます。
そうすると市中にお金が多量に供給されるわけですが、不景気の場合企業は物が売れないので設備投資資金の需要はありません。
個人も消費を控えているのが普通なので、大量供給されたお金は行き場所に困り、投資(投機)資金となって株式市場(を含む資産市場)に流れ込みます。
お金の供給が株式の供給を上回る事態が発生すれば、単純に交換比率で考えても少数派の株式が上昇しやすくなることは明白です。
こうして企業業績を無視したような株価上昇が起こることがあります。
このブログでも記事にした過剰流動性相場(金余り相場)が発生します。
この景気悪化時の過剰流動性相場の示現こそが、不景気の株高の正体です。

この過剰流動性相場(金余り相場)は金融緩和によってもたらされるので金融相場といわれます。
この金融相場による株価上昇により、懐が豊かになって消費の増加につながれば、企業業績が良くなり、やがては業績が良いから株が買われる業績相場に移行することも考えられます。
もちろん金融相場があまりにも行き過ぎるとバブル発生につながり、その崩壊リスクが高まることも考えなくてはいけなくなります。
その明確な目安(金融相場→業績相場に移行する適度な上昇か、バブルか)が示されていない上に、相場はオーバーシュートする性質がある(相場参加者の過剰な欲)ため、たびたび暴落があるのは皆様ご存知のとおりです。

さらに逆資産効果によってもたらされた実体経済への悪影響は、ある程度まで逆資産効果が改善されると投資家の心理に影響をもたらし(下がりそうだから手控える→上がりそうだから参入する)市場への資金流入につながり、理論値(経済実態や企業業績)をオーバーシュートした上昇を見せます。
このオーバーシュートによってもたらされた資産効果が、実体経済に好影響を与えます。

例えば株価暴落によって金融機関がバランスシートの縮小均衡をはかり貸し渋りや貸しはがしを起こすのが逆資産効果(流動性不足)ならば株価上昇による含み益の増加で、融資(リスクテーク)に積極的になるのが資産効果です。

資産市場の膨張(上昇)が実体経済に先だって起こりますので、
株価は景気の先行指標と言われます。



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コメント 6

NO NAME

こんにちは。
米国や日本はもちろん、世界的に株式市場が堅調なのはバーナンキさんのインフレ政策=ドル貨幣の過度の大量発行が一番でしょう。不景気脱出のために世界的な財政出動がありました。100年に一度の下げで時価総額が半分になり、株式市場から資金が撤退したわけですから。戻りを考えれば、ある程度頷けます。

ただ、金融相場がいつまで続くのかはわかりません。業績相場に移行してくれれば嬉しいですし、環境バブルに繋がってくれるのでしょうか。

ご存じとは思いますが、月足を見たときに2003年4月からの上昇相場と似ているといわれるのは、同じ金融相場といわれています。2003年以前のデフレ不景気にも低金利政策が取られています。

まさに、過剰流動性が引き起こした資産市場の膨張でしょう。
by NO NAME (2009-08-28 15:58) 

renbajinharuhi

こんばんは、NO NAMEさん。
ブログのネタを先に言われてしまいました(笑)

月足の終値陽線で13カ月移動平均線をうわ抜けたら買い、下抜けるまでホールドと言う単純な長期投資の場合、判断は原則月1回です。
6月末にこの基準を満たし、8月末もよほどのことがない限り買い持続となります。

ただし短期ならば25日線(テクニカル)もありますが、日経平均年初来高値更新のコメント欄でも述べさしていただきましたが、9月第1週が注目になります。
注目指標が目白押しになるからです。
特にISMが50を上回れるかどうかが最初の注目です。
中国PMIもあります。
週末雇用統計が目先の転機になる可能性(良ければ材料出尽くし→それを見越してダウが続伸中、悪ければネガティブサプライズ)は大きいと思っています。
日本はメジャーSQがやってくる。
米投信の45日ルール(9月15日近辺)なども控えています。

また個別の悪材料は上海株の下落でしょう。
見事なまでの黄金比率(38.2%押し)でぴったり下げ止まったので、この値(2785)を割り込むと投資家のセンチメントにかなりの影響を与えるでしょう。→上海発の同時株安(ちょっとオーバーですか?)
by renbajinharuhi (2009-08-28 17:24) 

renbajinharuhi

こんばんは、龍之介さん。
ご訪問&nice!をありがとうございます。
by renbajinharuhi (2009-08-28 17:28) 

NO NAME

こんばんは。
ありがとうございます。
ブログのネタでしたか、すみません。

>月足の終値陽線で13カ月移動平均線をうわ抜けたら買い、下抜けるまでホールドと言う単純な長期投資の場合、判断は原則月1回です。

長期投資家は6月末時点で参入しているということですか?長期資金が下支えになってくれていれば確かに売買しやすいですね。ただ、03年春や05年春からの上昇と現在の上昇と比較しますと、現在は12か月移動平均(私が使用している短期線)を上抜けましたがまだ上を向いていません。これが同じ長期上昇パターンへの懐疑の念です。あくまで個人的な考えですが。

9月の日経平均のパフォーマンスは過去の歴史を見ても、12か月中一番悪いというデータがあります。秋~冬にかけて押し目に成りやすいという過去のデータです。このパターンを利用した中期トレーダーもいらっしゃいます。ここ2~3年は下げ相場ですから、中期投資は全く出来ませんでした。

上海発の世界同時株安は、07年2月末に一度記録しています。今の上海を見ていますと、先行指標のようですから凝視中です。今まで世界の株価を引っ張ってきただけに、一度頭打ちになっていますし、既に中期的に下降トレンド入りしているからです。

現在日本の8月限のSQ値は、上値抵抗になっています。ただ、トレンドに忠実に従うならば、買い玉を減らしつつも、ポジションを全てはずす必要がないような気もします。

ちなみに1309は大証に上場された上海上証50=上海総合指数のETFですから、株の様に売買できますよ。
by NO NAME (2009-08-29 20:14) 

renbajinharuhi

こんにちは、NO NAMEさん。
売買高、売買代金などを見る限り、長期資金は入っていないでしょう。
昨年に大きな傷を負った投資家は、その傷が癒えていないか、株価上昇に懐疑的になっています。(ベア・マーケットラリーと考えている)
ご指摘のように株価は長期移動平均線を上抜いたものの、移動平均線自体は下を向いています。
2003年時も株価が13カ月移動平均線を上抜いたのは6月でしたが、平均線自体が上昇に転じたのは8月です。

教科書の教えでは株価が上抜けるだけでなく、移動平均線も上昇に転じたところで買い(上昇相場入り)となっていますので、上昇相場に入っていないとの考え方、または疑念を持つのは至極当然です。
また買いは遅かれとの格言もある通り、この先の長期上昇相場を考えれば慎重になるのも理解できます。
あくまでも教科書的、または自分の方法を貫くのは立派な一つの考えです。
データ重視は勝つ確率を高めるのに役立ちます。(9月は下がる・10月もあまりよくない)
ウォール街のアノマリーは11月に買って(翌年)5月に売り、どこかに行けです。 
個人的にはヘッジファンドの逆張りかなとも思いますが、どうなのでしょう…

6月末買いは長期投資としてはやや異端と言えるのかもしれません。
ただ、毎日の株価にメンタルを揺さぶられることを考えれば、1カ月に1回しか判断しないという方法もありなのかもしれません。

1309はこちらにお越しの龍之介さんが購入されたようです。
by renbajinharuhi (2009-08-30 14:12) 

renbajinharuhi

こんにちは、ナンピンマンさん。
ご訪問&nice!をありがとうございます。

by renbajinharuhi (2009-08-30 14:13) 

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