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株式昔話 6 [株]

本日前場の日経平均は169円14銭安の12709円52銭で終了しています。
ただし高値と安値の差は67円64銭と狭いレンジの値動きになっています。
米国株大幅安、円高と来れば市場参加者が少ない中、下落は仕方がないでしょう。
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番外編  担保と融資

現在会社を設立するのは以前に比べると非常に簡単になりました。
経済の活性化を狙った規制緩和のおかげと言えるでしょうが、金融機関から融資を受けるとなると話はまったく違ったものになります。

経験された方もあるかもしれませんが、融資に対しての始めの一言は「担保がありますか?」です。
設立直後の会社にそんなものがあるはずないのが通常です。
ここで話は普通は終わりです。(融資は受けられません)
仮に話が続いても3年間の事業報告書などと言う無理が続くくらいです。
どちらにしても立ち上げたばかりの会社にはないものばかりです。

銀行は投資家ではないので、極力リスクをとりたがらないのです。
もっと言えばいちベンチャーの事業価値を判断する能力がないか、そこまでの権限を持たされていない(特に支店レベル)といったところでしょう。
これらのすべてがバブル崩壊以前の名残と言えるでしょう。

バブル崩壊以前は経済は長期的にみれば常に右肩上がりでした。
インフレが進むのが通常の資本主義経済の原則と思い込まれていたのです。
つまり時間の経過により、資産価格は必ず上昇するとしんられていましたし、実際そうなっていました。
その中でも再生産や数量の増加がない土地は最高の資産と思われていました。
こうして国土面積が狭い日本には著しいまでの土地本位資本主義が形成されていきました。

土地さえあれば、事業などどうでもいい。

土地さえ担保に取っておけば、その土地が自然に値上りしてくれるのだから取りっぱぐれはない。

事業計画書がどうであれ、我々(金融機関)が損をすることはないのだから貸さなければ損だ。

審査に時間などかけていたらほかの競争相手に取られてしまうかもしれない。

こうして審査能力は極限まで低下し、担保至上主義(担保=土地さえあればいい)が確立しました。
さらに担保価値の引き上げ(本来安全性を考え70%のところを100%→行き過ぎた貸し出し競争の弊害)
最後には未来価値の折込(将来の値上り)にまでいたりました。

この後バブルがはじけ、多くの不良債権が発生し、金融機関の淘汰が始まり、失われた10年が進行して行ったのです。
今のアメリカのサブプライム問題も根は一緒です。(過度の未来価値への傾斜)
本来はルールで縛り、また、そうなっているのが普通のはずなのですが、業績拡大という欲望が貸し手責任のモラルを超えたとき金融危機の種はまかれるのです。

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