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銀行と証券会社 [思った事]

昨日の記事“銀行のサマーキャンペーン”では次のように述べさせていただきました。

金融機関の目指すところは終わりなき規模拡大ということになります。
これにこだわり過ぎるともっも肝心な収益性と安全性がおろそかになり、さまざまな問題を引き起こすのは皆様ご存知のとおりです。

もちろん今でも基本的な考え方は変わっていません。
収益率に劇的な上方変化がない限り(どちらかといえば競争により低下する)規模の拡大こそが利益額につながる事を完全に否定できないからです。

経済用語(というほどのものでもないが)ストックとフローがあります。
ストックが資産、フローが収入と置き換えればわかりやすいでしょう。
当然ながら(大)資産家以外はフロー(月給)が中心であり、その中で消費や貯蓄を考えて生活をしていきます。
最近でこそ、低金利に甘んじている自分の資産の有効活用を考える人も出てきましたが、日々の生活に忙殺されてそれどころではないというのが最大多数の考えでしょう。
また自分は資産をいかすといえるほどのものは持っていないという方も相当数に上るでしょう。
本来は資産がない人ほど日本の将来を考えれば努力が必要といえるのかもしれませんが、資産運用より優先させなくてはいけない事があるのですからなかなか難しい問題です。

さて上記は個人の話でしたが、銀行の経営を考えるとストック重視型というより、ストック偏重型といえました。
このストック偏重型の改善のために即時的なキャッシュフローを得られる業務内容を加え始めました。
有り体に言えば手数料収入に傾斜したのです。

しかし、以前よりこの手数料収入に傾斜していた業界がありました。
いわずと知れた証券業界です。
株式ならば売買手数料、投資信託ならば販売手数料、外債ならば為替(両替)手数料といずれも収入源は手数料でした。
ちなみに個人向け国債は購入者は手数料を取られませんが、国から販売委託手数料(100万円に付き5000円)がもらえる事になっています。
一時期一部の証券会社が預かり資産残高(つまりストック重視)の向上を目指したこともありましたが、やはり即時的な現金収入では手数料に勝るべきものはなく、立ち消えになっていきました。

年代が上の方はご存知かもしれませんが、金融機関には厳然たる序列がありました。
一番上が都市銀行、以下普通銀行→信用金庫などでした。
証券会社はバブル以前は「株屋」といわれ、蔑まれていた時代さえもありました。
間接金融が全盛を誇っており、銀行の腹一つで(融資の打ち切りか継続かで)事業法人の命運が決められていたからです。
金融システムは大手都市銀行を頂点としたピラミッドを形成していたのです。

ところが優良企業が力をつけ、自分で資本市場からの資金調ができるようになると銀行の力は弱まっていきました。
でも、バブルが崩壊するまでは無謀な貸し出し競争により、規模拡大を図って何とか面目を保ってきました。
しかし、バブルが崩壊し、多くの金融機関が淘汰され、旧態依然とした貸し出し増大による収益拡大のビジネスモデルが通用しにくくなってきました。
そこで目をつけたのが「株屋」と蔑んでいた証券会社の手数料ビジネスだったのです。

銀行で外貨預金が解禁され、投資信託の販売が解禁され、その膨大(実は虚像)な信用力を背景に手数料ビジネスに参入してきたのです。
証券会社のほとんどすべてが、資本的や人的なつながりが(上記のピラミッド構造の影響)があり、規制緩和の時代の後押しもあって、全国の銀行で手数料商売が始まり、今に至っています。

本当はどこで買っても中身の投資信託は変わらないし(安全性も含め)、外貨手数料にいたっては銀行のほうが割高の場合が多いのです。

普通の人の銀行でのメリットは公共料金自動引き落としと家を買うときのローンぐらいしかないのではないでしょうか。
普通の人の資産運用にはまったくといっていいほど役に立ちません。

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