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銀行のサマーキャンペーン [思った事]

本日前場の日経平均は74円3銭安の13050円96銭で終了しています。
日本の景気後退が公に認められたうえに、大幅な米株安、原油価格上昇とくれば仕方がないでしょう。

今夜から始まる4年に1度のスポーツの祭典であるオリンピックで、相場から一時期はなれての安らぎと心地よい興奮を体感しましょう。
(相場は閑散になりそうですが、たまにはいいでしょう)
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タイトルは銀行となっていますが、信用金庫や農協などあらゆる金融機関で実施されています。


ぼった栗銀行 ただいまサマーキャンペーン中
新規でお預け入れの方に限り 特別金利 年0.5%  2008年8月31日まで

ネット銀行には上記より高いレート表示のところもありますが、通常の定期預金金利が年0.35%程度なので、魅力を感じる人も多いでしょう。

さて、上記の宣伝文句の中に新規でとあります。
新規とは何でしょう。
辞書を引くと1.今までと違った方式・2.今までとは違った客が来る(注文)こと・3.今まであったものを別途に使うのではなく、まったく新しいものにする事 などとあります。

つまりたまたまキャンペーン期間中に満期が来た預金の継続は3.に抵触するので該当しないと言う事になります。
キャンペーン期間は大体同じ時期が多い(夏と冬のボーナス前後)ので、1年前のキャンペーンに預け入れた人は満期の時期と翌年のキャンペーンの時期が重なる事が多いのです。
そこで少し考えた人は満期で一旦解約して現金化し、再びその現金で新規に預け入れと言う形を取ってキャンペーン金利の獲得を目指します。
以前は通帳に満期が来た定期を普通預金に入金(現金化しない)して預けなおす方法もありましたが、通帳に定期預金(の満期)と印字されるので、その分は新規扱いにならなくなりました。
一種の裏道対策と言うわけでしょう。

ずっと預金し続けている長い付き合いのお客より、いわば一見のお客を歓迎する、普通の商売では考えにくい事がなぜおきるのでしょう。

預金者はお客ではない、金融機関のお客はお金を借りてくれる人だからと考えた方、かなり金融に詳しい方です。
正解といってもいいでしょう。
しかし、仕入れ(預金者)がなくては仕事はしづらくなります。

実は金融機関の評価システムが純増額によるものになっているからです。
預金だけを例にとってきわめてシンプルな形で説明して見ます。

預金者A 金融機関担当者(営業)Bとします。
預金者A(以下A)は昨年のキャンペーンで定期預金(金利0.5%)300万円をしました。
金融機関担当者B(以下B)の昨年の営業成績は300万円です。

今年の満期が到来してAは元利とも預金しなおしました。預金額は300万円(+利息)です。
Bの今年の営業成績はゼロです。
仮にAが解約したとします。Aの預金額はゼロです。
この場合のBの営業成績は-300万円です。
今年の満期が到来してAは追加で100万円預金しました。預金額は400万円(+利息)です。
Bの今年の営業成績は100万円です。
つまり前年比での増額部分しかBの営業成績にはならないのです。

金融機関の新規というのはこの増額部分だけを言うのです。
そしてこの部分だけにキャンペーン金利の優遇をしたいのです。

実際は多くの顧客を担当しているわけですから大口の解約が出ると目も当てられません。
毎日100万円の新規預金者を獲得すると1ヶ月間では約2000万円の営業成績になります。
ところが2000万円の大口預金を1人に解約されると営業成績(ただし預金獲得の成績のみ)はゼロと言うことになります。
上記は営業担当者個人の成績の話ですが、支店レベルでの評価もあります。
この場合の(成績の)責任者は支店長と言う事になります。
もちろん成績の評価は預金だけでなく、新規口座開設、貸出額(もちろん大切なのは回収率)、預貸率など多岐にわたりますが、ここでは割愛します。

つまり金融機関の目指すところは終わりなき規模拡大ということになります。
これにこだわり過ぎるともっも肝心な収益性と安全性がおろそかになり、さまざまな問題を引き起こすのは皆様ご存知のとおりです。
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