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今週の展望(2015年10月最終週) [株]

強気転換と戻り一服の攻防

     2015年10月23日 2015年10月16日 2015年10月9日 2014年12月30日      
          
日経平均  18825円30銭   18291円80銭   18438円67銭   17450円77銭 
TOPIX  1547.84      1505.84      1515.13      1407.51    
東証2部   4656.83      4621.22      4621.14      4391.21      
ジャスダック 2556.36      2545.05      2541.71      2363.94      
マザーズ    791.63       803.71       804.47       909.67     

先週(10月第4週)の日経平均は前週末比533円50銭の上昇になりました。
売り方の買戻しや日銀追加緩和期待で上げていましたが、
週末にドラギ総裁の発言を受けて欧米株高、円安の進行を受けて一段高になりました。
株価指数ではマザーズ指数以外のすべてが上げました。

今週は週末に日銀金融政策決定会合がありますので、思惑含みの売買があるでしょうが、
郵政三社の上場が近づいてくることを考えれば、相場の堅調さを維持したい所でしょう。
私見では追加緩和なしと考えていますが、そこでの反応によって強さが測れそうです。

日本株は7月9日安値(19115円20銭・ネックライン)が下値支持線でしたが、
大きく割り込んだことにより、下値支持線が上値抵抗線に変化しますので、
この値が上値目標になります。
25日移動平均線を奪回したので、次の目標は200日線の19166円08銭です。
ここまで達すれば上記のネックライン19115円20銭も突破したことになりますので、
弱気から強気の転換点になります。
ただ、ここを突破されるということは売り方にとっては踏み上げが加速することに
なるので阻止したいでしょうし、戻り一服の売りも出やすいし、そのすぐ上には窓
(8月21日安値・19435円83銭と8月24日高値・19154円65銭)
がありますので、重要なポイントになります。

日本株は好業績が前提になっていますので、業績が悪ければ嫌気されるのはもちろん、
決算が良くても、それまでに株価の上昇があれば、好材料出尽くしで格好の利食い売りの
タイミングにされることがあります。
市場予想(アナリスト予想)が楽観的すぎる面もありますので、
ネガティブインパクトが大きくなりがちです。
個別では玉石混交で、銘柄選択の巧拙が運用成果に大きな違いをもたらしそうです。
ただ、世界経済減速があれば、上記の好業績の前提が危うくなります。
リスクオンにしてもリスクオフにしても現在の市場の習性上、
オーバーシュートする可能性は高いと言えます。

2016年3月期の予想に焦点が当たりますが、日本企業は当初は慎重な見通しを
出す(のちに上方修正)ことが多くなっていますので、これを前提に投資に臨むべきでしょう。
中間決算の発表が本格化するので注目でしょう。

15年ぶりに20000円を回復しましたが、大幅下落でトレンド転換をしたことで、
投資家のセンチメントは弱気に傾いています。
現時点では20000円は今年中の上値目標に変わりました。

ムードは一気にリスクオフに傾き、7月9日の19115円20銭を割り込んだので、短期的には
いったんは上昇相場終焉となり、 トレンドは押し目買いから戻り売りへと変化しています。
ただ、今週は強気転換かの攻防になります。

暫くは縁がないでしょうが、2000年以前の高値(1996年)を記しておきます。

歴史探訪 1996年の高値

         終値                 ザラ場
12月高値 20943円90銭(12月 5日)  21067円68銭(12月 2日)
11月高値 21418円25銭(11月26日)  21460円57銭(11月27日)
10月高値 21612円30銭(10月18日)  21788円58銭(10月18日)
 7月高値 22455円49銭( 7月 1日)  22600円08銭( 7月 1日)
 6月高値 22666円80銭( 6月26日)  22750円70銭( 6月26日)

時価総額では2007年2月の581兆円を超え、1989年の史上最高額をも越え
8月10日には終値ベースで609兆5652億円を記録しました。
(ただし、上場企業数は1989年当時の約1.6倍)
時価総額の未知への挑戦もしばらくお預けです。

「買いにくい相場は高い」と言う投資格言のように、
警戒感が強まる中での上昇になっていましたが、おっかなびっくりの中での上昇でしたので、
海外要因で悪材料(米株暴落等)があれば一気に冷え込む可能性は残されています。
高値警戒感が強いことが投資家心理を一層揺さぶります。
まさにこれが現実化しました。

投資家全体で見れば模様眺め(MRFの残高が史上最高レベル)が多数派、
戻り一服で挽回したい売り方、安くなれば買いたいがそれに続いていると
言ったところでしょうか。
売り方劣勢に変化しましたが、売買高や売買代金で見る限り
上値を積極的に買う投資主体は見られません。

株価が下落するほど投資家のセンチメントが悪化し、弱気が増えるので、
思わぬ下げ幅になる可能性もありますが、投資家心理は揺り動かされるので
上げの場合も含め投資方針が一層大切になります。

個別株の中には振れ幅がより大きいものもあり、過剰なレバレッジや信用取引を行った方は
想定外の価格変動による思わぬ結果をもたらされる可能性があります。
特に新興市場のバイオ関連株やネット関連株、ゲーム関連株の値動きは
IPOとともに個人投資家の参戦で非常に大きくなっています。

もはや株高は国策と言ったらオーバーでしょうが、預金はゼロ金利、国債さえも買いづらく
なった今、資産運用をするとすれば株式か外貨が選択肢になるでしょう。
ただ、休むも相場との投資格言をかみしめることも必要な時期はあります。


      日経平均年初来の高値           日経平均年初来の安値

終値  20868円03銭(2015年 6月24日)  16795円96銭(2015年 1月14日)
ザラバ 20952円71銭(2015年 6月24日)  16592円57銭(2015年 1月16日)



     日経平均2014年~2015年3月高値  日経平均2014年~2015年3月安値

終値  19754円36銭(2015年 3月23日) 13910円16銭(2014年 4月14日)
ザラバ 19778円60銭(2015年 3月23日) 13885円11銭(2014年 4月11日)


     日経平均2013年の高値             日経平均2013年の安値

終値  16291円31銭(2013年12月30日)  10486円99銭(2013年 1月23日)      
ザラバ 16320円22銭(2013年12月30日)  10398円61銭(2013年 1月 9日)



2015年10月23日時点での各移動平均線(円未満切り捨て)

  5日移動平均線(上昇中) 18430円  
 25日移動平均線(上昇中) 18053円
  75日移動平均線(下落中) 19163円

10月の米利上げはなくなったとみた短期筋が買い戻しを活発化させたので、
次の目標は200日線の19166円08銭ですが、
この値を突破すれば、再びトレンド転換です。

しかし、それまでは戻り売りトレンドに変化は見られませんので、
長期投資家の安値拾い買い以外は利食い売りの場面を考える必要があるでしょう。
ただ、今年中の米利上げなしとの判断が大勢を占めれば、
市場が上にも下にもオーバーシュートする習性を考えれば、戻り幅が大きくなる可能性に
留まらず、上昇トレンド転換も否定できません。

現在は世界景気減速と株安への不安が高まり、投資家心理を揺さぶっています。
企業業績はまだら模様で銘柄間の格差は大きくなっています。
輸出株中心に業績下方修正の懸念もあります。

現在では日本株は需給(特に外国人売買)、原油価格、為替相場、
業績動向(特に個別株)が注目要因で、地政学リスクが相場のかく乱要因です。
もちろん現在は中国動向でしょうが、米株の動向も注視する必要があるでしょう。


今年1月はボラティリティが大きい中での下落になっていましたが、
中盤以降は堅調に推移し、月間ではプラスになりました。
2月は乱高下で始まりましたが、約15年ぶりの高値を更新しました。
3月も約15年ぶりの高値を更新して、上昇していますが、調整が入りました。
4月は戻りを試して始まり、上昇し、15年ぶりの20000円を付けました。
5月は軟調にスタートしましたが、15年ぶりの高値を再び更新しました。
6月はやや軟調にスタートしましたが、反転上昇し、15年前の高値を抜き、
18年半ぶりの高値を付けましたが、29日に今年最大の下げ(下落率2位)を見せました。
7月は戻りを試す形で始まりましたが、GC(ギリシャ、チャイナ)パニック売りで下げました。
その後は急速に戻りを見せましたが、年初来高値更新には至りませんでした。
8月は明確な方向性はないものの堅調に始まりましたが、急落しました。
その後はリバウンドを見せています。
9月は軟調に推移しました。
10月は上げています。

どうしても直近の値動きの印象が強く、それに左右されるのがメンタルです。
リスクオン、リスクオフは投資主体のメンタルによる場合がかなりあります。

企業業績をはじめ、数々の分析がなされるでしょうが、上がるから買う・買うから上がるの展開の
原動力は人の恐怖と欲とのバランスの上に立脚しているだけで、理論的分析が通用しない
相場形成がなされます。
従って下がるから売る・売るから下がるの展開になった時も同様の可能性があります。
注視したいところです。

証券会社をはじめ株高歓迎の業界は上がるための理屈、買わせるためのトークが跋扈します。
彼らが述べるここからの目標値はあまり意味をなしませんが、
強気相場ではもっともらしく聞こえるマジックになります。
私が聞いた範囲では今年中に26000円がありましたが、これは今では笑い話で
現在の弱気相場では、今年の上値目標は20000円がせいぜい、
20000円は年度内(2016年3月末)までの上値目標と言う声も聞こえてきました。

安値買いの人で昨年と今年の上昇過程で利食い売りを出したかたは現金ポジションが
高くなっている方もおられるでしょうし、買い余力は大きいので、買いのチャンスを探りましょう。
短期の人は戻り一服の売りから入るか、様子見ですが、
上記の値を突破すればトレンドフォローの買い方に転じるでしょう。
典型的なバイ&ホールドの人は何もせずにホールドか一部利益確定でしょうが、
さらなるホールドか利食い売りかは投資方針次第と言えます。

投資家の行動は心理に左右されます。
株は安くなったら買い、高くなったら売ればいいと言いますが、
高いか安いかの基準はなんでしょう。
明確な基準があればそれに従って売買していることでしょう。
多くの投資家は理論ではなく、高くなりそう・安くなりそうという思い込み(感情)で売買します。
もちろん自由ですが、安くなったら買い、高くなったら売りという基準をもって売買していない
ことは明確です。

現在はトレンドフォローが主流です(もちろん一つの有力な手法です)が、
これはある程度上がったら買い、ある程度下がったら売りという手法で、
安いところを買い、高いところを売る事とは違う方法です。
ただ、トレンドフォロワーならばトレンド転換を待ちの状態でしょうか。
海外株や為替の推移には注視が必要でしょう。

外国からのニュースや要人の発言に一喜一憂させられる可能性は大いにあります。
相場上昇の原動力の4大要因(外国人売買と原油価格と為替と企業業績)には注目です。
地政学リスク関連ニュースからは目が離せません。

ボラティリティは大きく、個別でも1日の間に乱高下もあり得ますので、
デイトレーダーにはチャンスが大きい反面、ピンチを招くこともあるでしょう。
売り方、買い方、どちらにもチャンスがあるように見えます。
短期はリバウンド後の売り方に回ることを考えている方が増加しそうです。
中長期の投資家は利食い売りの誘惑との闘いでしょうか。

長期は利食いと持続のはざまで揺れ動くでしょう。
超長期(2年)は強気継続に影をさし始めていましたが、
今回は騙しの可能性だったといえそうです。
どこで利食いするか、持続するかなどの投資方針が大切になります。

米景気は回復途上にありますので、米株高は支援要因です。
当面は米株と原油と為替の行方が関心のまとで、海外からのニュースから目が離せません。
米株離れとの声もありますが、もし米株が暴落すれば、否応なしに巻き込まれます。
実際その通りになりました。
日本株は売買高や、売買代金が増加するかが注目です。
個別株勝負は当然ありでしょうが、ボラが大きいので指数売買もありです。
と言うより現在指数売買は非常に活発です。(代表は1570)
インデックス投資家は淡々と買い続けるでしょう。

最大のキーポイントは、自分自身の欲と恐怖の葛藤の中での折り合いをつける
自分自身との戦いです。

と同時に投資スタイルを確立できているか、それに応じた売買を冷静に行えるかを
試される期間が続きそうです。


もちろん投資は自己責任でお願いします。



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