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今週の展望(2015年9月第3週) [株]

        2015年9月11日 2015年9月4日 2015年8月28日 2014年12月30日      
          
日経平均  18264円22銭   17792円16銭  19136円32銭   17450円77銭 
TOPIX    1480.23      1444.53      1549.80      1407.51    
東証2部   4567.02      4513.90      4745.40      4391.21      
ジャスダック 2495.28      2452.57      2568.40      2363.94      
マザーズ    784.10       732.28       811.56       909.67     

先週(9月第2週)の日経平均は前週末比472円06銭の上昇になりました。
ボラティリティが非常に大きく、400円以上の下げ幅が2日(火・木)
水曜日には史上6位(上昇率史上9位)の上げ幅を記録するなど波乱に富んだ1週間でした。
日経平均が5週ぶりの上昇のほか、指数ではすべてが上昇しました。
メジャーSQ値は18119円49銭と落ち着きましたので波乱要因は一つ通過しました。
今週は最注目の米FOMCがあり、利上げの有無に世界中が関心を寄せています。

7月9日安値(19115円20銭・ネックライン)が下値支持線でしたが、
大きく割り込んだことにより、下値支持線が上値抵抗線に変化しますので、
この値が上値目標になります。

これからの最注目は今週のFOMCでの利上げの有無ですが、
私見では米景気回復度合だけで見れば、緊急避難的ゼロ金利は解除すべきで、
一度は利上げをするべきです。(米国の景気回復宣言のシンボルとして)
しかし、巷で言われる四半期ごとの利上げ継続には疑問符が付きます。
ただ、直近の株価下落を考えれば市場との対話を重視するFRBは利上げを
今回は見送るとも考えられます。
利上げ濃厚ならば九月に底打ち、その逆 で12月利上げならばもう一度安値を付けに行く
というのが現時点での考えです。
もちろん前提は利上げが継続的でないということです。
利上げが1回だけならば、利上げ実施は悪材料出尽くしになります。
アメリカの投資格言にSell in May, and go away(5月に売って離れろ)があるのは
あまりに有名ですが、その続きにdon't come back until St Leger day
{セントレジャーデイ(9月第2土曜)まで帰ってくるな}があります。

日本株は好業績が前提になっていますので、業績が悪ければ嫌気されるのはもちろん、
決算が良くても、それまでに株価の上昇があれば、好材料出尽くしで格好の利食い売りの
タイミングにされることがあります。
市場予想(アナリスト予想)が楽観的すぎる面もありますので、
ネガティブインパクトが大きくなりがちです。
個別では玉石混交で、銘柄選択の巧拙が運用成果に大きな違いをもたらしそうです。
ただ、世界経済減速があれば、上記の好業績の前提が危うくなります。
リスクオンにしてもリスクオフにしても現在の市場の習性上、
オーバーシュートする可能性は高いと言えます。

2016年3月期の予想に焦点が当たりますが、日本企業は当初は慎重な見通しを
出す(のちに上方修正)ことが多くなっていますので、これを前提に投資に臨むべきでしょう。
2016年3月期の第1四半期の決算が発表されましたが、
上に記したように好業績が前提にありますので、波乱もありました。
(先に株価が上昇し、好業績発表で好材料出尽くしの形も含め)

15年ぶりに20000円を回復したことは非常な強気要因で、
トレンドフォローならば買わざるリスクが取りざたされ、20000円は単なる通過点と
述べる人もいますが、18年半ぶりの高値と言うことで高値警戒感を持つ慎重な投資家もいます。
上値が重く、下値も堅いボックス相場が続いていましたが、大幅下落でボックス(20000円)の
底抜けをしたことで、投資家のセンチメントは弱気に傾いています。
現時点では20000円は上値目標に変わりました。

ムードは一気にリスクオフに傾き、7月9日の19115円20銭を割り込んだので、短期的には
いったんは上昇相場終焉となり、 トレンドは押し目買いから戻り売りへと変化しています。

暫くは縁がないでしょうが、2000年以前の高値(1996年)を記しておきます。

歴史探訪 1996年の高値

         終値                 ザラ場
12月高値 20943円90銭(12月 5日)  21067円68銭(12月 2日)
11月高値 21418円25銭(11月26日)  21460円57銭(11月27日)
10月高値 21612円30銭(10月18日)  21788円58銭(10月18日)
 7月高値 22455円49銭( 7月 1日)  22600円08銭( 7月 1日)
 6月高値 22666円80銭( 6月26日)  22750円70銭( 6月26日)

時価総額では2007年2月の581兆円を超え、1989年の史上最高額をも越え
8月10日には終値ベースで609兆5652億円を記録しました。
(ただし、上場企業数は1989年当時の約1.6倍)
時価総額の未知への挑戦もしばらくお預けです。

「買いにくい相場は高い」と言う投資格言のように、
警戒感が強まる中での上昇になっていましたが、おっかなびっくりの中での上昇でしたので、
海外要因で悪材料(米株暴落等)があれば一気に冷え込む可能性は残されています。
高値警戒感が強いことが投資家心理を一層揺さぶります。
まさにこれが現実化しました。

投資家全体で見れば模様眺め(MRFの残高が史上最高レベル)が多数派、
売りでとりたい弱気派、安くなれば買いたいがそれに続いていると言ったところでしょうか。
売り方優勢ですが、待機資金の多さを考えれば、下値を積極的に売るのも難しそうです。

株価が下落するほど投資家のセンチメントが悪化し、弱気が増えるので、
思わぬ下げ幅になる可能性もありますが、投資家心理は揺り動かされるので
投資方針が一層大切になります。

個別株の中には振れ幅がより大きいものもあり、過剰なレバレッジや信用取引を行った方は
想定外の価格変動による思わぬ結果をもたらされる可能性があります。
特に新興市場のバイオ関連株やネット関連株、ゲーム関連株の値動きは
IPOとともに個人投資家の参戦で非常に大きくなっています。

もはや株高は国策と言ったらオーバーでしょうが、預金はゼロ金利、国債さえも買いづらく
なった今、資産運用をするとすれば株式か外貨が選択肢になるでしょう。
ただ、休むも相場との投資格言をかみしめることも必要な時期はあります。


      日経平均年初来の高値           日経平均年初来の安値

終値  20868円03銭(2015年 6月24日)  16795円96銭(2015年 1月14日)
ザラバ 20952円71銭(2015年 6月24日)  16592円57銭(2015年 1月16日)



     日経平均2014年~2015年3月高値  日経平均2014年~2015年3月安値

終値  19754円36銭(2015年 3月23日) 13910円16銭(2014年 4月14日)
ザラバ 19778円60銭(2015年 3月23日) 13885円11銭(2014年 4月11日)


     日経平均2013年の高値             日経平均2013年の安値

終値  16291円31銭(2013年12月30日)  10486円99銭(2013年 1月23日)      
ザラバ 16320円22銭(2013年12月30日)  10398円61銭(2013年 1月 9日)



2015年9月11日時点での各移動平均線(円未満切り捨て)

  5日移動平均線(上昇中) 18124円  
 25日移動平均線(下落中) 19123円
  75日移動平均線(下落中) 19984円

現時点では短期の戻りメドは200日線の19095円03銭ですが、
今週は米FOMCを控え、模様眺めが強い中、
優勢な売り方が利乗せ(さらなる売り)を仕掛ければ一段安もあり得ます。
買い方の心理状態や懐具合は悪く、市場が上にも下にもオーバーシュートする
習性を考えれば、下を見に行く可能性は否定できません。

現在は世界景気減速と株安への不安が高まり、投資家心理を揺さぶっています。
企業業績はまだら模様で銘柄間の格差は大きくなっています。
輸出株中心に業績下方修正の懸念もあります。

現在では日本株は需給(特に外国人売買)、原油価格、為替相場、
業績動向(特に個別株)が注目要因で、地政学リスクが相場のかく乱要因です。
もちろん現在は中国動向でしょうが、FOMCまでは米株の動向も注視する必要が
あるでしょう。


今年1月はボラティリティが大きい中での下落になっていましたが、
中盤以降は堅調に推移し、月間ではプラスになりました。
2月は乱高下で始まりましたが、約15年ぶりの高値を更新しました。
3月も約15年ぶりの高値を更新して、上昇していますが、調整が入りました。
4月は戻りを試して始まり、上昇し、15年ぶりの20000円を付けました。
5月は軟調にスタートしましたが、15年ぶりの高値を再び更新しました。
6月はやや軟調にスタートしましたが、反転上昇し、15年前の高値を抜き、
18年半ぶりの高値を付けましたが、29日に今年最大の下げ(下落率2位)を見せました。
7月は戻りを試す形で始まりましたが、GC(ギリシャ、チャイナ)パニック売りで下げました。
その後は急速に戻りを見せましたが、年初来高値更新には至りませんでした。
8月は明確な方向性はないものの堅調に始まりましたが、急落しました。
その後はリバウンドを見せています。
9月は軟調に始まりました。

どうしても直近の値動きの印象が強く、それに左右されるのがメンタルです。
リスクオン、リスクオフは投資主体のメンタルによる場合がかなりあります。
これを強く意識させられた下げ局面が7月第2週、上げ局面が7月第3週でした。
直近の下げでもそれは言え、下値不安がありますが、史上6位の上げ幅の後は
やや落ち着いた感もあります。

企業業績をはじめ、数々の分析がなされるでしょうが、上がるから買う・買うから上がるの展開の
原動力は人の恐怖と欲とのバランスの上に立脚しているだけで、理論的分析が通用しない
相場形成がなされます。
従って下がるから売る・売るから下がるの展開になった時も同様の可能性があります。
注視したいところです。

証券会社をはじめ株高歓迎の業界は上がるための理屈、買わせるためのトークが跋扈します。
彼らが述べるここからの目標値はあまり意味をなしませんが、
強気相場ではもっともらしく聞こえるマジックになります。
今年の高値目標の20000円は達成されたので、さらなる高値目標が出てくるでしょう。
私が聞いた範囲では今年中に26000円がありました。
業界筋は概ね強気でしたが、弱気が増えつつあり、
20000円が上値目標と言う声も聞こえてきました。

安値買いの人で昨年と今年の上昇過程で利食い売りを出したかたは現金ポジションが
高くなっている方もおられるでしょうし、買い余力は大きいので、買いのチャンスを探りましょう。
短期の人は売りから入るヒットアンドアウェーや下げ過ぎ場面をとらえての
買いから入る選択です。(リバウンド狙い)
典型的なバイ&ホールドの人は何もせずにホールドか一部利益確定でしょうが、
さらなるホールドか利食い売りかは投資方針次第と言えます。

投資家の行動は心理に左右されます。
株は安くなったら買い、高くなったら売ればいいと言いますが、
高いか安いかの基準はなんでしょう。
明確な基準があればそれに従って売買していることでしょう。
多くの投資家は理論ではなく、高くなりそう・安くなりそうという思い込み(感情)で売買します。
もちろん自由ですが、安くなったら買い、高くなったら売りという基準をもって売買していない
ことは明確です。

現在はトレンドフォローが主流です(もちろん一つの有力な手法です)が、
これはある程度上がったら買い、ある程度下がったら売りという手法で、
安いところを買い、高いところを売る事とは違う方法です。
ただ、トレンドフォロワーならば待ちの状態でしょうか。
海外株や為替の推移には注視が必要でしょう。

外国からのニュースや要人の発言に一喜一憂させられる可能性は大いにあります。
相場上昇の原動力の4大要因(外国人売買と原油価格と為替と企業業績)には注目です。
地政学リスク関連ニュースからは目が離せません。

ボラティリティは大きく、個別でも1日の間に乱高下もあり得ますので、
デイトレーダーにはチャンスが大きい反面、ピンチを招くこともあるでしょう。
売り方、買い方、どちらにもチャンスがあるように見えます。
短期は売り方に回ることを考えている方が増加しそうです。
中長期の投資家はまだホールドでしょうが、利食い売りの誘惑との闘いでしょうか。

長期は強気継続です。
超長期(2年)でも強気継続ですが、影をさし始めています。
どこで利食いするか、持続するかなどの投資方針が大切になります。

米景気は回復途上にありますので、米株高は支援要因です。
当面は米株と原油と為替の行方が関心のまとで、海外からのニュースから目が離せません。
米株離れとの声もありますが、もし米株が暴落すれば、否応なしに巻き込まれます。
実際その通りになりました。
日本株は売買高や、売買代金が増加するかが注目です。
個別株勝負は当然ありでしょうが、ボラが大きいので指数売買もありです。
と言うより現在指数売買は非常に活発です。(代表は1570)
インデックス投資家は淡々と買い続けるでしょう。

最大のキーポイントは、自分自身の欲と恐怖の葛藤の中での折り合いをつける
自分自身との戦いです。

と同時に投資スタイルを確立できているか、それに応じた売買を冷静に行えるかを
試される期間が続きそうです。


もちろん投資は自己責任でお願いします。



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