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インフレに強い株 [株]

預金はインフレヘッジ力が弱く、インフレにあうと実質購買力が維持できないといわれています。
それに対して株はインフレヘッジ力が強く、インフレが発生しても実質購買力が維持できるといわれています。

日本は長い間世界的に見ても未曾有のデフレ期間がありましたので上記の事は忘れ去られています。
またインフレの脅威を味わったのが第1時石油ショックを最後とするならばすでに30年以上が過ぎ去っています。
バブルによる資産インフレは何度かありましたが、多くの国民にとっては話題にはなっても直接の影響は少なかったのではないでしょうか。(崩壊による被害はありました)
いずれにしても物価上昇による生活の圧迫という意味でのインフレからは遠ざかっていましたので、感覚が麻痺している事は否めないでしょう。

さて専門家の方にはお叱りを受けるかもしれませんが、インフレに強い株をきわめて簡単に説明してみたいと思います。
A社(1株利益50円・PER10倍・株価500円)

インフレが発生すると(すべての)物の価格が上昇します。
単純にすべての物の価格が2倍になったとします。
経済の規模も2倍になりますが、預金金利では1割も増えないので金利がついても買える物の量は減ります。(購買力の低下)
さてすべて2倍になるという事は企業の売り上げも2倍、給料も2倍、企業の最終利益も2倍になります。(実際はそうならない事もしばしばです)
最終利益が2倍という事は発行株数が不変ならば、1株利益も2倍になります。(50円→100円)
するとPERの数値で同じ倍率まで買われるならば株価も2倍になります。
A社(1株利益100円・PER10倍・株価1000円)

A社株式を保有していた投資家は資産がインフレ率と同じ2倍になったので購買力の低下は起きませんでした。
これが株はインフレに強いといわれる所以です。

ただし、スタグフレーションの場合大きな落とし穴があります。
国民生活レベルで一番大きな影響を及ぼしそうな点は給料がインフレ率に見合って上がらないという事です。
これでは個人消費の数値的拡大に結びつきません。(節約、倹約になる)
GDPの最も大きな部分が伸び悩めば企業の売り上げに影響がでるのは当然です。
売り上げがインフレ率に対して延び幅が鈍ければ、その後の利益計算も当然狂ってきます。
利益が伸びなければ1株利益も当然伸びず、株価も上昇もインフレ率に対して見劣りするものになり、インフレヘッジが果たせなくなります。
更にこの事を予見すれば株価の先見性が働き、株価の更なる伸び悩みや、場合によっては下落が発生します。

株はインフレに強いというのは概ね正しいのですが、例外もありえるという事も頭に入れておくべきだと思います。


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コメント 5

しおじい

頻繁に拝読しております。
非常に勉強になります。
スタグフレーションに備えるため
知識を増やしていかないといけないと実感しました。
by しおじい (2008-02-02 17:50) 

pointgetter

こんばんは。コメントが少ないと折角書いても気が抜けると思うので「金利屋」がビシッとコメントします。

まず、インフレ発生の原因が国内景気の過熱によるものであるとするならば、中央銀行は通貨価値の安定を図るための「金利引き上げ」を実施するため、「預金」にもいくらかのインフレヘッジ力があると考えます。このケースでは借り入れの多い企業にとっては「金利負担」が増大するため、インフレヘッジ効果が少なくなるため、無借金で優良資産を保有している企業を投資対象とすることが有効でしょう。

問題になるのはスタグフレーション(景気は悪いのに物価のみが上昇)のケースですね。輸入物価上昇等の外的要因によりインフレが発生した場合は、国内景気は低迷しているので株は安いまま、中央銀行も景気に配慮するため金利の引き上げが出来ない(いや、金利を引き上げても金利が借り手から貸し手に移動するだけでプラスマイナスゼロなので、通貨価値の安定を優先し金利を引き上げる=>通常のインフレと同じように「預金」「無借金優良企業」にはインフレヘッジ効果がある?)。

最終的には資源等の実物投資を行うのが一番有効な手段ということですかね?
by pointgetter (2008-02-02 18:32) 

pointgetter

ヘッジ手段をもう一つ。自分が実物を生産する側に回ってしまう。一番実現可能なのは土地を買って自給自足的な生活をする。やってみますか?
by pointgetter (2008-02-02 18:53) 

renbajinharuhi

こんばんは、しおじいさん。
自助努力以外に自分の生活を守るすべがなくなりつつあります。
お互いにがんばりましょう。
by renbajinharuhi (2008-02-02 20:20) 

renbajinharuhi

こんばんは、pointgetterさん。
いつも格調高いコメントをありがとうございます。
投機により価格形成がゆがめられている部分はありますが、生きていくうえに必要な産品ほど価格抵抗力が強いと思います。
そう考えると1番なのは食料品、その次が資源、3番目がエネルギーといったところでしょうか。
ご存知と思いますが、アメリカで一部の株だけが買われたニフティ・フィフティのように物色が偏る事は十分考えられます。
by renbajinharuhi (2008-02-02 20:30) 

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