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今週の展望(2017年10月第4週) [株]

   2017年10月20日 2017年10月13日 2016年12月30日      
          
日経平均  21457円64銭  21155円18銭  19114円37銭 
TOPIX  1730.64    1708.62    1518.61    
東証2部   6861.36    6895.64    5229.90    
ジャスダック 3603.18    3647.80    2739.25   
マザーズ   1084.87    1098.35     942.68     

先週(10月第3週)は米株の史上最高値更新や総選挙の世論調査での
連立与党有利の報が引き続き安心感をもたらし高くなりました。
日経平均は14連騰となり戦後最長だった1960年12月21日から
1961年1月11までの14連騰に並びました。
日経平均は週間で302円46銭高、TOPIXもプラスでしたが、他の指数はマイナスで
大型株中心の動きでした。
戦後最長連騰記録をかけてのスタートで、決戦発表も始まりますので、
いろいろな意味で目が離せませんが、基調は強いといえます。

北朝鮮リスクに慣れと耐性がついてきたのかもしれませんが、油断はできません。
総選挙の結果は与党勝利が織り込まれていますので、材料にはならないでしょう。
米株と為替の値動きに一喜一憂する展開は考えられます。

日経平均がアベノミクス後の高値を上回り、約21年ぶりの高値を付けたことで
市場の雰囲気、特に投資家のメンタルは大きく変化しました。
21年ぶりの高値更新でイケイケの強気と目標達成感で売りの二極化です。
歴史的転換で青天井相場スタートとする考え方と21年ぶりの高値で大幅利食い、
または21年間の投資のすべての損失がなくなったので現金化したいという考えです。
ここで買って高値掴みになれば、相当期間の塩漬けの可能性もあるでしょう。
したがって投資家心理は利食い売りが優勢でしょうが、多くの短期筋には強気も
少なくなく、今までの小型株有利から上昇した小型株を利食って大型株に乗り換える
動きも垣間見えますので、下値が深いと見なければ、押し目買いに利ありともいえます。
今回の上昇に乗り損ねた人は焦りもあるでしょうが、
そういう時こそ自分の投資方針を振り返ってみることが大切になります。

今までは流れが出てから動こうとする人が多く、約21年ぶりの高値で流れが上方向へ
出たと感じた投資家も多数いるでしょう。
相場はメンタルによって形成されるといわれるゆえんです。
目標は1996年6月26日の終値
22666円80銭(ザラ場高値22750円70銭)という声が出てきました。
そこを突破すれば株価的には日本の失われた20年が終焉することになります。

外国人が発表された直近では3週連続買い越しになっています。
ロシアゲートのように何らかのきっかけで市場参加者が一斉に売ってくる
可能性はあります。
北朝鮮の地政学リスクやトランプ大統領不安も依然として存在しますし、
むしろこれらは基本的には消滅しません。
強気と弱気のはざまをゆれ動かし続けるでしょう。

相場格言にあるように
もうはまだなり(もう上がらないと思っていてもまだ上がる)
まだはもうなり(まだ上がると思っていたらもう上がらない)
といずれとも取れますが、
感性(またはトレンド)重視の人は強気、理論重視の人は慎重と別れそうですが
上記にもあるように上値追いか、利食い優勢かを見極める週です。

2018年3月期予想は慎重な見込みの企業が少なくないようですが、
これから始まる中間業績発表と通期予想が株価に影響を与えるでしょう。
企業業績予想で動くでしょうし、地政学リスクと為替をにらみながらの動きに
なるでしょう。
株価の方向性がでることが最大の売買要因(特にトレンド重視派)になりえますので、
方向性が出たと考えればその方向に思わぬ大きな値動きになることは
考えておくべきでしょう。

日本株が下がったり、上がらない最大要因は外国人売りです。
ここ(外国人売り)が継続的買いに転換したときは期待が持たれます。
円安転換、外国人買い越しは明らかな強気要因です。
これらが続くかどうかが、これからの方向性を決めますが、
外国人は週間ベースでは3週連続買い越しです。

現在は短期的には強気、中長期的にも強気な位置にあります。
ただ、短期的には過熱感を示す指標もあります。
これからの方向性は地政学リスクの変化が目先の最注目で、続いて為替、
それらが落ち着けば日米金融政策や企業業績の予想と現実のギャップに対する
市場の反応で決まるでしょう。

日本株全体が上げるには、外国人買いが継続する必要があります。
外国人が継続的な買い越しになるかが、上昇トレンド継続のカギを握っています。
ただドルベースでみると
2016年12月30日のドルベースは163ドル20セント
(日経平均19883円90銭・円ドル117円12銭)
2017年10月20日時点
189ドル33セント(日経平均21457円64銭・円ドル113円33銭)
と値上がりしています。(利食い売りできる)
ちなみに2015年12月30日は
158ドル06セント(日経平均19033円71銭・円ドル120円42銭)

日本企業は慎重な見通しを出し、のちに上方修正をする事が多いですが
想定為替レートも慎重な企業が多く2018年3月期もこのパターンになりそうで、
全体の株価には好材料になりにくいかもしれません。
2018年3月期の第1四半期の決算発表では慎重な日本企業は通期、
あるいは中間期(第2四半期)の上方修正は多数派ではありませんでしが、
全体的には堅調といってよいでしょう。
しかし、日本株全体が強気になるのは困難で、個別材料にとどまりそうです。
業績面は個別株によってまちまちの影響を与えるでしょう。
ただ、株価は先読みで織り込んでいますので市場予想以上か以下かに加えて
それまでの株価の値動きによってさまざまに上下動します。
業績が予想以上に良くてもそれを織り込んで株価が大幅上昇していれば好材料出尽くし、
業績が予想以上に悪くてもそれを織り込んで株価が大幅下落していれば悪材料出尽くし
という場面もありえます。

投資家全体で見ればいつ利食い売りを出すかと考えている人が大勢ですが、
今回の上げに乗り遅れた(特に国内勢)人も多く、安くなれば買いたい人もいます。
外国人売買の動向が、株価指数の行方に大きな影響を与えます。

株価が上昇するほど投資家のセンチメントが良くなり、強気が増えるので、
思わぬ上げ幅になる可能性もありますが、投資家心理は揺り動かされるので
投資方針が一層大切になります。

個別株の中には振れ幅が大きいものもあり、過剰なレバレッジや信用取引を
行った方は想定外の価格変動による思わぬ結果をもたらされる可能性があります。
特に新興市場のバイオ関連株やネット関連株、ゲーム関連株の値動きは
IPOとともに個人投資家の参戦で大きくなっています。

もはや株高は国策と言ったらオーバーでしょうが、預金はゼロ金利、国債さえも
買いづらくなった今、資産運用をするとすれば株式か外貨が選択肢になるでしょう。
ただ、休むも相場との投資格言をかみしめることも必要な時期はあります。



     日経平均年初来高値       日経平均年初来安値

終値  21457円64銭         18335円63銭
     (2017年10月20日)    (2017年 4月14日)

ザラバ 21503円85銭         18224円68銭
     (2017年10月19日)    (2017年 4月17日)



2016年~2017年3月日経平均高値 2016年~2017年3月日経平均安値

終値  19633円75銭          14952円02銭
     (2017年 3月13日)     (2016年6月24日)

ザラバ 19668円01銭          14864円01銭
     (2017年 3月 2日)     (2016年6月24日)



     日経平均2016年高値         日経平均2016年安値

終値  19494円53銭(12月20日) 14952円02銭( 6月24日)

ザラバ 19592円90銭(12月21日) 14864円01銭( 6月24日)



日経平均2015年~2016年3月高値 日経平均2015年~2016年3月安値

終値  20868円03銭         14952円61銭    
   (2015年 6月24日)     (2016年 2月12日)

ザラバ 20952円71銭         14865円77銭
   (2015年 6月24日)     (2016年 2月12日)



日経平均2014年~2015年3月高値  日経平均2014年~2015年3月安値

終値  19754円36銭        13910円16銭     
   (2015年 3月23日)    (2014年 4月14日)

ザラバ 19778円60銭        13885円11銭
   (2015年 3月23日)    (2014年 4月11日)


     日経平均2013年の高値        日経平均2013年の安値

終値  16291円31銭(12月30日) 10486円99銭( 1月23日)      
ザラバ 16320円22銭(12月30日) 10398円61銭( 1月 9日)



2017年10月20日時点での各移動平均線(円未満切り捨て)

  5日移動平均線(上昇中) 21372円  
 25日移動平均線(上昇中) 20652円
  75日移動平均線(上昇中) 20076円


現在は世界景気回復と株高への期待があり、投資家心理は改善しています。
企業業績はまだら模様で銘柄間の格差は大きくなっています。
輸出株中心に円高に反転すれば業績下方修正もあります。
原油価格はOPECの8年ぶりの減産合意のニュースで上昇していましたが、
現在は45~55ドルのボックスでしょうか。
原油安が産油国の歳入欠陥を招き海外資産売却の可能性には注意ですが、
日本独自ならばエネルギー輸入大国の日本にはプラス要因です。
(ただしエネルギー価格低下での物価安は日本の目標のインフレ示現にはマイナス要因)

現在では日本株は需給(特に外国人売買)、原油価格、為替相場、
業績動向(特に個別株)が注目要因で、地政学リスクが相場のかく乱要因です。
米経済の動向と政策が一段と大切になりました。
トランプ大統領は警戒要因でしょう。


2016年
1月は大発会から6日続落で大幅安と最悪のスタートのうえ、
昨年来安値を更新しました。
2月も昨年来安値を再び更新するなど下落の展開が続いていました。
3月は堅調に始まり、戻りを見せました。
4月は初日から大幅安で始まり、軟調でしたが、急速に切りかえして
プラスに転じていましたが、最終日に日銀の追加緩和見送りでひっくり返されました。
5月は下げて始まりましたが、プラスに転じました。
6月は大幅安でした。
7月は戻して始まり、ボックス下限の15000円に再び近づきましたが、
その後は反発して、大幅上昇で終了しました。
8月は軟調にスタートし、切り返して値動きが小さくなった後、イエレン講演後は
高くなりました。
9月は模様眺めの中で軟調で、盛り返す場面もありましたが、月間では下げました。
10月は堅調でした。
11月はトランプ(クリントン)ショックで始まりましたが上げて、
年初来高値をうかがう勢いでした。
12月は1月の年初来高値を更新し、さらに上昇しました。

2017年
1月は大発会から大幅高で昨年来高値を更新しましたが、伸び悩んでいます。
2月はさえないスタートで、切り返しましたが、上値が重くなっています。
3月は上昇して、昨年来高値を更新していますが、その後は一服状態で、
月間では日経平均は小幅安になりました。
4月は年初来安値を更新しましたが、月間ではプラスになりました。
5月は堅調に始まり、年初来高値を更新しましたが、その後は一服です。
6月は早々に年初来高値更新、1年6か月ぶりの20000円回復です。
7月は小型株中心で日経平均は方向感が出ませんでした。
8月はもみ合いから下抜けしました。
9月は地政学リスクで下げた後、切り返しから年初来高値を更新しました。
10月は年初来高値を更新して約21年ぶりの高値を付けました。

どうしても直近の値動きの印象が強く、それに左右されるのがメンタルです。
リスクオン、リスクオフは投資主体のメンタルによる場合がかなりあります。

企業業績をはじめ、数々の分析がなされるでしょうが、
上がるから買う・買うから上がるの展開の原動力は人の恐怖と欲とのバランスの上に
立脚しているだけで、理論的分析が通用しない相場形成がなされます。
従って下がるから売る・売るから下がるの展開になった時も同様の可能性があります。

安値買いの人で昨年と今年の新高値の過程で利食い売りを出したかたは
現金ポジションが高くなっている方もおられるでしょうし、前回の下げで買えた人は
楽しみですが、買っていない人は自分のスタンスを堅持すれば当分出番はなさそうです。
短期の人は強気に買いでしょう。
指数の空売りは日銀買いがあることを考えれば躊躇せざるを得ません。
典型的なバイ&ホールドの人は何もせずにホールドか利益確定でしょうが、
さらなるホールドか利食い売りかは投資方針次第と言えます。

投資家の行動は心理に左右されます。
株は安くなったら買い、高くなったら売ればいいと言いますが、
高いか安いかの基準はなんでしょう。
明確な基準があればそれに従って売買していることでしょう。
多くの投資家は理論ではなく、高くなりそう・安くなりそうという思い込み(感情)で
売買します。
もちろん自由ですが、安くなったら買い、高くなったら売りという基準をもって
売買していないことは明確です。

現在はトレンドフォローが主流です(もちろん一つの有力な手法です)が、
これはある程度上がったら買い、ある程度下がったら売りという手法で、
安いところを買い、高いところを売る事とは違う方法です。
トレンドフォロワーならばここは買い以外の選択はありません。
彼らが積極的になれば売買高、売買代金が増加しますので活況を呈すでしょう。

外国からのニュースや要人の発言に一喜一憂させられる可能性は依然あります。
トランプ大統領の発言や政策には振り回されることになるでしょう。
相場変動の原動力の4大要因(外国人売買と原油価格と為替と企業業績)には注目です。
地政学リスク関連ニュースからは特に目が離せません。
北朝鮮リスクに市場は慣れつつありますが、日本に最も近いリスクであることを
忘れてはいけません。

個別ではボラティリティが大きいものもあり、1日の間に乱高下もあり得ますので、
デイトレーダーにはチャンスが大きい反面、ピンチを招くこともあるでしょう。
売り方、買い方、どちらにもチャンスがあるように見えます。
短期は買いで勝負したいところです。
日銀買いがあるので指数の空売りは危険性は高いといえます。
中長期の投資家は利食い売りの誘惑との闘いでしょうか。

長期は利食いと持続のはざまで揺れ動くでしょう。
超長期(2年以上)でも利益確定を考えてもよい局面です。
下げが騙しの格好になった(26週線を割り込んだが、回復した=2度)うえ
20000円突破、年初来高値更新があったので保有できた人は持続です。
ただ、約21年ぶりの高値で利食い売りを出しても不思議ではありません。
どこで利食いするか、持続するかなどの投資方針が大切になります。

米景気は回復途上にありますので、米株高は支援要因です。
当面は米株と原油と為替の行方が関心のまとで、海外からのニュースから
目が離せません。
日本株は外国人の売買動向と、売買高や売買代金が増加するかが注目です。
個別株勝負は現時点での主流でしょうが、レバをかけた指数売買もありです。
と言うより現在指数売買は非常に活発です。(代表は1570)
インデックス投資家は淡々と買い続けるでしょう。

最大のキーポイントは、自分自身の欲と恐怖の葛藤の中での折り合いをつける
自分自身との戦いです。

と同時に投資スタイルを確立できているか、それに応じた売買を冷静に行えるかを
試される期間が続きそうです。


もちろん投資は自己責任でお願いします。



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