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ショートカバー [株]

株式投資の世界では買い方をロング、売り方をショートと呼んでいることは
皆様もご存知のはずです。
ショートカバーとは売り方の買戻しのことです。

株式投資の世界では買いから入るほうが圧倒的多数なので、買った株が上昇し、
利益確定をするときは利食い売り(安く買う→高く売るの順番)になります。
しかし、売りから入ると利益確定のときは買い(高く売って→安く買うの順番)になるので
利食い買いになります。
株価(大幅)下落後の自立反発といわれる局面ではこの利食い買い(利食いのための買戻し)が
少なからず影響しています。

2012年6月4日に歴史的安値を付けた後の上昇(リバウンド)はまさにこのショートカバーに
よるものです。
TOPXがバブル崩壊後の安値更新という、まさに買い戻すには分りやすいタイミングでした。
(日経平均も年初来安値更新というタイミングでした)
当然ながら少数である空売りの買い戻しだけでは上昇が短期間で終わるのは当然です。
新規の買いが入らなければ強く、息の長い上昇相場には入れません。
現在の日本市場はこの買い手の役割を果たしているのが外国人なので、
外国人買いに注目が集まるわけです。
売り方(特に新規売り)は先の安値更新で総弱気になるところを狙っているでしょう。
逆に先の安値を下回らなければ攻守交代の可能性があります。(俗にいう二番底が入る)

株式投資は上記にもあるように買いから入る人が圧倒的多数なので、
どうしても上げ賛成が普通の姿になります。
相場は一定時点までは多数の原理が働きやすいので、全体の意思が上げ賛成とすると、
上昇する期間が長くなりやすくなります。
その反面、買いから入る人が多いということは、値上がりすれば売りたいと考える人が
多いことも事実です。
したがって利食い売りをこなしながらの上昇になりますので、需給のバランスが拮抗しやすく
上昇局面はゆっくりと長いものになりやすくなります。

その半面、下落局面では需給のバランスが崩れやすく(買い手が様子見をする)
下げのスピードは上げの3倍速といわれるように非常に早いものになります。
しかし、ショートカバーは言うまでもなく、安くなるところを狙っている投資家もいますので
下げの期間は上昇期間に比べると短くなるのが一般的です。

総合すると株式市場は長くゆったりとした上昇期間と短く激しい下落期間によって
構成されています。
このことから考えると買い方はゆっくりと時間をかけて相場に臨むのが理にかなっており、
売り方は絶妙のタイミングを捉え、短期間に効率よく利益を狙わなければならなくなるのが
わかります。

成功した場合の時間的な効率だけ考えれば売り方になるほうがいいような気もしますが(そういう人もいます)売り方が利益を得やすい時間は、総ての時間の流れの中では相対的に少ないので、
タイミングがより重要視されます。それは買い方の比ではありません。(難しい)

多くの人が時間的に長い上昇相場にベットしているのは、意識するしないにかかわらず、
ある意味必然だといえるでしょう。

ただ、最近20年の日本株や金融危機後の先進国株式のなかには上げと下げの期間のバランスが
変化しており、バイ&ホールドで以前より儲けにくくはなっています。
永久不変の法則はないということなのでしょう。



先の安値 2012年6月4日
日経平均・年初来安値 8238円96銭(ザラ場) 8295円63銭(終値)
TOPIX・バブル崩壊後の安値  695.51



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