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なぜ株式投資か [株]

物事にはルールがあり、全てそれにのっとって社会も動いている。
もっとも顕著な例は法律で、これを破った人には通常何らかのペナルティーが科せられる。
しかし人が作ったルールは完全無欠ではないので、しばしば見直しが行われる。
そのルール変更が周知徹底の上で行われるのなら、ある程度仕方がない面もあるのだが、いつの間にやら一部の人たちの暗黙の了解の下にルールが変更されていたら大変である。それを知っている人と知らない人の間に大変な格差が発生してしまう。
実はこのルール変更が行われているのである。それも人々の生活を左右しかねないところでである。

これから書くことは15年位前まで、平均的日本人なら誰でも当たり前だと思ってきたことである。
1.学校を卒業すると就職し
2.毎年のように給料が上がり(年功賃金)
3.年2回のボーナスが支給され
4.退職時には多額の退職金が支給され(税金の恩典あり)
5.十分とはいえないまでも老後の柱となる年金が受け取れる

さて現在はどうなっているかといえば、
1.ニート、フリーターの増加
2.ベアの廃止
3.ボーナスの能力給化
4.退職金の廃止、縮小
5.年金の見直し・・・縮小へのバイアス
と収入は全てマイナスの方向へしか向いていない。これが何を意味するかといえば、現代の若年世代は、ただまじめに働くだけでは、自分の親の世代と同じ豊かさを享受することはできないということである。
しかしここまではまだ良いほうである。かなりの人々が多かれ少なかれ認識しているからである。
ここからは少数の人しか気付いていないことである。
まじめに働き貯蓄に励み、退職時にはそれなりの金融資産を持ち、退職金と年金で老後を過ごすパターンが崩れてしまっているのである。退職金と年金は前にも書いてあるように認識がある程度行き渡っているが、問題は貯蓄のほうである。この点に気付いている人は非常に少ないと思う。日本人の貯蓄好きは世界でも有数で(近年はそれも崩れたが)現在の60歳以上の人は資産形成は定期預金(定額貯金)1本という人がかなりいる。ここが大問題なのである。現在の高齢者は定期預金の金利が年5%以上は当たり前の時代だったので、定期預金だけでもそれなりの資産が築けたが、現代はどうだろう。

はっきり言わせてもらう。定期預金では親の世代と同じ資産は築けない。これは普通の人が考えているより、かなり大きな問題である。たぶんほとんどの人の認識は甘いと思う。

具体例で考えてみよう
貯蓄に励み30歳で1000万円ためたとする。ためるのは若いうちほどチャンスが大きい。
老後資金はまだ遠く、独身の間は、教育資金、住宅資金が身近な問題にならないからである。
さて努力の結果ためた1000万円をノーリスクの定期預金で運用しよう。→現在は定期預金はノーリスクではないという突っ込みはやめよう。そのことも若年層にはマイナス要因の増加になるだけである。まえ振りが長くなったが、期間は60歳までの30年間とする。

親の世代 金利年5% 1000万円→約4321万円

今の世代 金利年1% 1000万円→約1347万円
       金利年0.2%      →約1061万円

定期預金で運用すると3000万円もの差になって現れてくるのである。
これは親の世代と同じ資産運用をすると間違いなく失敗するということを意味している。
これで、現在では定期預金以上の資産運用が必要だということに気付いていただけただろうか?
もちろん、インフレの脅威も無く定期預金の金利が5%以上になれば資産運用の心配は無くなるかもしれないが、もし低金利が続き定年を迎えたときに3000万円以上の資金不足が発生したらもう取り返しは効かないのである。
それでも資産運用をしないというなら、それはその人の自由である。
私はインフレが発生しない限りは定期預金の金利が継続的に5%になることは無いと思っている。またインフレが発生した場合には預金だけで購買力が維持できるかどうかにも不安があるので、資産運用は欠かせないと思っている。


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かまきり

もう年金だけでは暮らしていけませんね。
これからは子供の世代に投資の勉強をしてもらわないと
将来が不安です。(結婚もしてないけど・・・)
とりあえず、3歳の甥を成人するまでに投資家に仕込んでみるつもりです(笑)
by かまきり (2006-10-23 16:38) 

renbajinharuhi

コメントありがとうございます。
芸術やスポーツの世界では幼少のころより訓練をつみ、天才少年(少女)と呼ばれる人がおりますが、さすがに3歳より投資の訓練をつんだ人の話は知りません。20年後は日本を代表する投資家かも~!! そこまでいかなくてもマネー教育はこれからの必須科目です。
by renbajinharuhi (2006-10-23 17:32) 

goma

haruhiさん、こんばんは。
リンクから来ました。
勉強になります。
haruhiさんのブログを読んで勉強しますよ!

インフレ、なるのでしょうか?
でも、私は心の中では、インフレ気味の方が
なんだか納得できるような気がするんですよ(笑)。
給与なども上がっていくから、報われているきがするでしょ?

しかし、実感としては物価は長年、すなわち自分の子供の時から
ほとんど変わっていない気がするんですよね。
物によってはずっと安くなったものも多いし(航空券とか)。
瑣末な例で言えば、自分が子供とき、お小遣いをもらって買う
アイスクリームはたいてい100円だったのですが、
今でもアイスといえば100円が主流でしょう(少なくともコンビニでは)。
ちなみに、母(1950年生まれ)の昔話を聞くと、
母が子供のときはお小遣いを50円もらって、
ラーメン(40円)とソフトクリーム(10円)が
食べられたそうです(笑)。

これから値上がりしていきそうなものって何かなあ?と
時々考えています。
なんだかイマイチ思い浮かびませんね。
haruhiさんは、なんだと思いますか?
by goma (2007-04-23 23:11) 

renbajinharuhi

おはようございます。
資本主義の経済ではインフレが起きるのが普通の状態です。
問題なのはそのインフレ率です。緩やかなインフレ(物価上昇)は健全な経済活動上望ましいものです。しかし急激なインフレはその国の経済活動を脅かします。このよい面と悪い面を持つインフレを経済活動上の適度な数値にコントロールするのが中央銀行(日本の場合日銀)の最大の役割なのです。

子供のころから物価が変わっていないと感じるのは物価が上がった時期と(インフレ)物価が下がった時期(デフレ)があってそれが相殺されたからでしょう。私の子供のころよりは物価は上がっています。

インフレの場合特定の物品ではなく、全体の物品が値上がりします。
当面は価格の二極化がすすみます。すなわち同じ牛肉でも安い輸入牛肉の値段は上がらなくても、ブランド牛肉の価格は上昇する(価格が上がっても需要がある)と言う具合です。

最も値上がりするものは、世界中で需要のあるものです。現時点では資源とエネルギーです。
by renbajinharuhi (2007-04-24 10:04) 

岩崎かおる

初めまして、岩崎かおると申します。
私のブログでいつもコメントを頂いてる「江戸の隠居」さんからの紹介で訪問させて頂いております。
私もまったく同じ事を考えて、投資の世界に入ってきた経緯があります。
皆「不安」を抱えて暮らしていますが、その「不安」が何かをはっきりと明確に認識している人は少ないように思います。。。
これを縁に、また訪問させて頂きます(*^_^*)ありがとうございました。
by 岩崎かおる (2007-10-16 18:50) 

renbajinharuhi

初めまして、岩崎かおるさん。
日本は国民に優しい国といえない部分もありますが、「貯蓄から投資へ」のスローガンに関しては正鵠を射抜いているとおもいます。
後はそれを後押しする政策が望まれるところです。
by renbajinharuhi (2007-10-17 08:33) 

wine

5月住宅建築許可件数: 518K (予測:508K,前月改定値:4981K)
5月住宅着工件数: 532K (予測:485K 前月改定値:454K)
良い兆候です。(^^)

by wine (2009-06-21 19:57) 

renbajinharuhi

こんばんは、wineさん。
いつも情報をありがとうございます。
確かに良い兆候です。
一方ではFDICが地方銀行3行の破たんを発表し、2009年の米金融機関の破たんは40行にもなりました。
これは2008年の25行を大幅に上回っています。
また前米金融機関8000行のうち破綻の可能性がある銀行は2009年3月時点で305行で、昨年12月時点の252行より増加しています。
by renbajinharuhi (2009-06-21 22:59) 

サンフランシスコ人

読むべき本....

Investing 101: From Stocks and Bonds to ETFs and IPOs, an Essential Primer on Building a Profitable Portfolio (Adams 101) Hardcover – January 1, 2016
by Michele Cagan CPA (Author)

Series: Adams 101
Hardcover: 264 pages
Publisher: Adams Media (January 1, 2016)
Language: English
ISBN-10: 1440595135
ISBN-13: 978-1440595134

by サンフランシスコ人 (2017-01-18 07:53) 

renbajinharuhi

紹介ありがとうございます。
by renbajinharuhi (2017-01-18 08:27) 

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